2020年12月3日

ニュージーランド、オーストラリア、タイ、台湾、香港、フィリピン、インドネシアは、
女性の起業を最大限に支援する環境を提供している20の国や地域にランクイン

本文書は、11月23日にMastercardがシンガポールで発表したプレスリリースの日本語訳となります。

世界中の女性が新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響を受けており、87%の女性経営者が悪影響を受けたと答えています。景気後退の影響を最も強く受けた観光業、小売業、飲食業といった業界での過剰な代表格差、バーチャル化が進む世界での顕著なデジタル・ジェンダー・ギャップ、育児責任の重圧などは、女性が特に脆弱な立場に置かれている要因のほんの一例に過ぎません。

このような深刻な格差に取り組み、ビジネスにおける女性の可能性を最大限に引き出すために、Mastercard Index of Women Entrepreneurs(Mastercard女性起業家インデックス、以下「MIWE」) 2020レポートの調査結果は、ジェンダーに特化した政策のベストプラクティスを国際的に展開していくための説得力のある事例となっています。

ジェンダーをターゲットにした政策が女性の起業を推進
今年で4年目を迎えるMIWEは、世界中の女性起業家の社会経済的貢献度に焦点を当て、女性起業家の活躍の原動力や阻害要因を明らかにしています。OECDや国際労働機関などの国際機関から公開されているデータをもとに、新型コロナ感染拡大前の女性のビジネス進出に関する世界ランキングを58カ国(うちアジア太平洋地域の15カ国)で発表しており、世界における女性労働力の約80%を占めています。

女性起業家のビジネス進出トップ経済国・地域ランキング(アジア太平洋地域は太字で表示)

順位 国や地域 2019年
からの
変動率(%)
2020
MIWE
スコア
順位 国や地域 2019年
からの
変動率(%)
2020
MIWE
スコア
1 イスラエル ↑3 74.7 11 タイ ↓1 66.9
2 米国 74.0 12 台湾(チャイニーズタイペイ) ↑3 66.6
3 スイス ↑8 71.5 13 アイルランド ↓8 66.3
4 ニュージーランド ↓3 70.1 14 コロンビア ↑10 66.3
5 ポーランド ↑11 68.9 15 香港特別行政区 ↓8 65.8
6 英国 ↑2 68.7 16 フィリピン ↓10 65.5
7 カナダ ↓4 68.6 17 インドネシア ↑5 65.2
8 スエーデン ↑17 68.3 18 フランス ↑1 65.1
9 オーストラリア 67.5 19 ポルトガル ↓6 64.9
10 スペイン ↑4 67.3 20 デンマーク ↓3 64.9
47 日本 ↓3 51.4

MIWE2020でパフォーマンスが上位の経済国や地域は、ジェンダーに特化した支援メカニズムが迅速かつ大きな成果を上げていることを示す好例です。イスラエルは世界の女性起業家にとって最も経済的な国として初めてMIWEのトップに立ち、2019年の4位から順位を上げました。2年以内に女性起業家の数を2倍にするという目標を持つイスラエルの成功は、中小企業に対する制度面での支援に力を入れていることに起因しており、「中小企業支援」ランキングは2019年の42位から2020年には1位に急上昇しています。

昨年の強豪、アメリカは1位から今年は2位、ニュージーランドは2位から4位になったものの引き続きランクインをしています。これらのジェンダーに焦点を当てた取り組みが成熟している国が、女性のビジネス環境の改善に継続的に力を入れていることから、グローバルな舞台でも優れた成果を上げていることがわかります。これらの国の成功には、起業家精神に対する文化的な好感度)、起業を志望する者のロールモデルとなる女性リーダーの知名度、そして起業を支援する環境が重要な役割を果たしています。

注目すべきは、オーストラリア、インドネシア、中国本土、シンガポール、ベトナム、マレーシアなど、MIWE のスコアが 60~70 と健全な国や地域が大半を占めている(本レポート内58の国や地域のうち34の国や地域)のに対し、日本やインドなどを含む 13 の国や地域では 50~60 と低いスコアとなっていることです。

このインデックスに含まれる58の国や地域の市場のうち、12市場が前年比で5%以上上昇し、10市場が5%以上下落しました。アジア太平洋地域で急上昇した市場には、中国本土(+6%)とインドネシア(+5%)が含まれていますが、最大の下落はシンガポール(-12%)、フィリピン(-10%)、香港特別行政区(-8%)、ベトナム(-7%)でした。

Mastercardのアジア太平洋地域のエンタープライズ・パートナーシップ担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるジュリアン・ローは次のように述べています。
「この調査結果が明らかにしているのは、経済の豊かさ、発展のレベル、規模、地理的な位置に関係なく、ジェンダーの不平などは、パンデミック(世界的大流行)前であっても存続し続けていたということです。新型コロナの感染拡大は、既に問題となっている状況を悪化させました。新型コロナは、女性が働く傾向のある仕事や分野、育児や家事の責任、ビジネスにおける既存の男女格差など、いくつかの既存の要因により、男性よりも女性の生活や生計を不均衡に大きく乱しました。​しかし、パンデミックを通して、私たちは逆境に直面した女性の強さと忍耐力を見てきました。​むしろ、今年は女性の可能性の大きさを浮き彫りにしたといえます。政府、金融サービス、ビジネス団体が一丸となってこれから挙げる三つのことに取り組まなければ、このせっかくの瞬間はもろいものになってしまいます。一つは、女性がこの新しい日常の中で生き残り、成功できるようにするための制度的な支援とプログラムを提供すること、二つ目は、女性がデジタル世界をナビゲートするスキルを身につけること、そして三つ目は、女性の仕事と起業家精神を支援する、公平で利用しやすい金融サービスシステムを育成することです。これらを実現することは容易ではありませんが、このような投資は女性だけでなく、社会全体にとっても貴重かつプライスレスな配当、つまり利益をもたらすことができます。」

新型コロナは困難を招いたが、同時にチャンスでもある
MIWE2020では、新型コロナが働く女性に与える影響を分析し、効果的な支援策を提示しています。国や地域の経済によって異なりますが、最も効果があるとされるのは、中小企業への賃金補助、一時帰宅支援、財政救済などの救済策や、国の育児支援などです。

強調すべき点は、このレポートが女性起業家の将来について、楽観的な見通しを示していることです。同報告書は、パンデミックがビジネスにおける女性の飛躍的な進歩のための触媒となり、ジェンダー・バイアスを是正する機会となる可能性があることを示しています。このことを説明するために、いくつかのポイントを紹介しています。

  • 新型コロナの時代は、リーダーシップを発揮する女性に力を与える物語を文化的な障壁や失敗への恐れが依然として一部の女性を起業から遠ざけていることにインスピレーションを提示しています。新型コロナは、異常な状況下でも女性がリーダーシップを発揮する能力を強調しています。ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、台湾の蔡英文総統など、世界の女性リーダーたちは、秩序、安心感、信頼感、平穏感を植え付けながら、新型コロナを阻止するための最も成功した取り組みを指揮してきました。女性起業家のほぼ半数(47.8%)が、より大きな社会的利益に貢献したいという欲求に駆り立てられていると報告しており、これらのリーダーたちが与える影響は過小評価できないものとなっています。
  • ビジネス界で活躍する女性たちは、成功への大きな障壁があるにもかかわらず、すでに顕著な適応力を発揮しています。最前線では、女性のビジネスオーナーが自信を持って新たな仕事の世界に適応しています。パンデミック以降、42%がデジタルビジネスモデルに移行し、34%が新たなビジネスチャンスを見出しています。
  • 「ネクスト・ノーマル」は、既存の障壁を取り除くための一生に一度の機会を提供し、ビジネスにおける女性のジェンダー参加と平等を促進します。新型コロナは、デジタルジェンダーギャップからファイナンシャルインクルージョン(金融包摂)まで、ビジネスにおいて女性が直面している多くの格差を数倍に拡大しただけでなく、構造的進歩のための強烈な刺激となっています。

このレポートでは、これらの観察結果の意味合いが深いことを指摘しています。それは、リーダーとしての女性の未開拓の価値を更に明らかにし、進歩的な解決策を促進する上でのパンデミックの役割を浮き彫りにしています。この勢いを利用し、ジェンダーに特化したイニシアチブを推進することは、女性の可能性を実現し、女性と男性の生涯所得の格差によって世界的に失われた172兆ドル(出所:世界銀行)を削減するために非常に重要です。

インクルージョンの推進に向けたMastercardのコミットメント
Mastercardのグローバルコンシューマープロダクト&ファイナンシャルインクルージョン担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるスー・ケルシーは次のように述べています。「危機は常にシステムの脆弱性を露呈するものであり、新型コロナはそれをまさに実現するものとなりました。私たちは、ビジネスにおいて女性が直面している格差の大きさを目の当たりにしてきました。しかし、他の景気後退とは異なり、新型コロナはまた、かなりの進歩への道を切り開き、優先順位をつけることで何が達成できるかが見えてきました。」

MIWEのレポートは、切り離された恵まれない人々の発展を推進するというMastercardの幅広いミッションの一環に過ぎず、特にスタートパスやプライスレスプログラムなどのイニシアチブを通じて女性の起業家や中小企業を支援し、発展させることに力を入れています。2020年には、Mastercardは世界的な金融包摂のコミットメントを拡大し、2025年までに合計10億人の人々と5,000万人の零細・小規模企業をデジタル経済に取り込むことを約束しました。この取り組みの一環として、資金調達、メンタリング、インクルーシブ技術の開発を横断した様々な取り組みを通じて、2,500万人の女性起業家にビジネスの成長に役立つソリューションを提供することに直接焦点を当てていきます。

  • MIWE 2020のレポートとサポート資料はこちらからダウンロードできます。
  • ニュージーランド(p23)、韓国(p33)、インドネシア(p51)のケーススタディは上記リンク内にあるAppendix1をご覧ください。
  • Mastercardの女性のエンゲージメント、エンプロイメント、エンパワーメントへの取り組みについては、こちらをご覧ください。

調査方法
MIWEは、世界58の経済国や地域において女性のビジネス進出がどのように進んでいるかについて、世界をリードする分析を行っています。国際的な女性労働力人口の約80%を占めるMIWEは、女性の成功を促進する社会経済的要因と阻害要因を深く掘り下げた分析を行っています。

MIWEは、12の指標と25のサブ指標を用いた独自の分析手法により、「進歩の成果」「知識資産と金融アクセス」「起業家精神を支える条件」など、過去1年間の実績に応じて58の国や地域をランク付けしています。これらのスコアを集計することで、新型コロナ以前の状況と比較して、各国や地域が女性の起業家精神の向上にどの程度成功しているかを総合的に評価することができます。

今回のレポートでは、世界40の国や地域において新型コロナの流行に対応して政府や企業が女性起業家のための緊急対策を実施した結果についても分析を行っています。

MIWEの調査結果は、女性のビジネスにおける重要な役割を理解し、世界経済から得られた知見を活用したい政府、政策立案者、利害関係者、企業、個人の皆様に、より明確な理解をもたらすものと考えています。

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